「IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ」を読んでいます(その2):規模の経済が効かない業種は実は9割
続きです。
稼働率と規模の経済。
商業ビルは土地建設コストの固定費が大きい。テナント追加のコスト増は少ない。テナントが入れば入るほどもうかる。
ビル1棟と100棟のどちらがいいか。立地のよい1棟のほうが利益率は高い。立地商売だkら。数による規模の経済は働かない。
稼働率の高い、立地のよいビルを何棟持っているか。
エアラインは規模が効くと言われる。
搭乗客数によって変化しない固定費の塊。
どれだけ乗るかで決まる。稼働率の話。
巨大航空はハブ&スポークで平均稼働率を上げようと狙っている。
利便性は犠牲。東海岸から西海岸へ直行便は少なく、ハブで乗り換え。
LCCは採算性の合う路線だけだからもうかる。
市場拡大が望めない成熟産業は規模の経済の議論になりがち。共有コストの厚みが必要。
個々のビル設備単位の稼働率のビジネス。
大きな単位でコストを共有するには工夫が必要。
どこまで効き続けるか。
高炉の製鉄業は、世界で規模を追うのが正しいか。
原材料も商品も重くてかさばる。消費地からの距離、物流コストは世界だと大きくなる。
共有コストがコントロールできることが前提。
外からの購入に規模の経済が効いてもメリットはサプライヤー側になる。
付加価値率がどれだけかが重要。
小さいと自分でコントロールできる要素が小さい。
自らで可能性を開ける領域をたくさんもつこと。
規模の経済が働かない代表は、卸。
もともと利幅が薄い。1割あるかどうか。営業利益は数%。取引で条件交渉するのが常。
規模を拡大するにもきめ細やかな対応が必要で、共有コストも薄い。
製品数や取引先を増やすには営業を増やす、効率が良くならない。規模の不経済。赤字になる。
むしろ売上増で利益率が右肩下がり。
規模の経済が効かない業種は実は9割。
効く代表は自動車。
高炉は高炉や研究開発が共有コスト。どんどん生産すれば1単位当たりの共有コストが薄まる。圧倒的なボリュームでコスト競争力が高まり、利益が得られる。
利益を最先端の高炉に回すと下位メーカーが太刀打ちできない。化学、合成繊維、素材産業。
続きます。