キミのお金はどこに消えるのかを読みました:生産性が低いという意味はイメージと大分違う
キミのお金はどこに消えるのか
井上 純一
キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編
井上 純一
経済についての本なのですが、最近の話題である、ピケティや政治家のAOCなどの話も出てきます。
時短との関係ですが、生産性の話がでてきます。作業を効率化すれば生産性が上がると普通の人は考えます。この本で出てくる経済学の人たちから見ると、違います。生産性が上がるということは、付加価値が上がる、利益率が上がるということであり、そのためには安くてそれなりのものしか売れないデフレマインドではなく、高くていいものが売れる必要があるためです。
例えばヨーロッパに旅行に行くと、電車がすごく遅れるわけです。作業効率で考えれば日本の鉄道のほうが全然効率がよく見えます。
一方で、付加価値と考えると、ヨーロッパは伝統的にブランドの服やワインをはじめとして、美術館や音楽など文化にお金を掛けていて、高くていいものが売れているように思います。
働き方改革で問題になった、日本の労働生産性が低いのは、効率が悪いのではなく、労働の付加価値が低いためから、つまり高くて良い労働力ではなく、そこそこのレベルで安い労働力、例えば正社員ではなく派遣労働者や、主婦のパートが多いからです。
やたら残業が多いのは、人を増やすのではなく、残業させたほうが安いから、つまり付加価値が低いからです。
直感的には、欧米と比べて日本の作業効率が低いとはとても思えなかったので、この話を読んで、なるほどと思いました。